
なぜ人はNMAを創り出すのだろうか?その原因には、事の初期段階で条件づけという問題が共通の要因として横たわっている。
作家のマーチン・マーティンコは、これを「エレファント症候群」と呼んでいるが、この言葉はもともとインドで生まれた言葉である。
インドでは、象は主に輸送力として利用されているが、象の調教師はそのために、この巨きな動物を操る見事な方法を編み出したのである。どうするのかというと、成長した象を捕獲したとき、まずその象を大きな竹に繋ぐのだ。象は竹を揺さぶり、何とか引き倒そうと何日開か苦闘したあげく、自分の努力が無駄だったことを悟るというわけだ。
象がいったんそう悟れば、地面に小さな杭を打つだけで抑えておけるのである。最初に繋がれたときの無力感で、象は抗うことを断念し、その気になれば容易に脱出できるはずの状況をも、万やむなく、消極的に受け入れてしまうのである。
同じことは人間にも言えることである。若いときには、不慣れなために仕事にうまくとっかかれないといったことが誰にでもあるが、それは環境に影響をこうむるあまり、捕らわれた象のような精神状態に陥るからである。
