岩山を垂直下降したことのある人なら、絶壁にロープ一本で宙づりになったときのパニック状態が、どんなものかわかるだろう。
理屈からすれば、腰にロープを巻きつけてあるのだから落ちるはずはないのだが、その恐怖は想像を絶するものがあり、岩になかなか足をかけることができないものである。
必要以上の恐怖を感じるのは、あなたが機材に頼り過ぎているからである。あなたが頼れるのは唯一、あなた自身だけなのである。
平坦な地面を歩いているときでさえ、躊躇、困惑、優柔不断などが足元を危うくさせれば、怖くなるはずだ。
自分だけを信じ、頼れるようになれば、あなたは一歩前進し、過去への扉を閉じて消極的な衝動に耳を貸さなくなるのだ。
そうなればもう、何をやってもあなたのエンスージアズム(熱意)があなたを受け入れてくれるため、エネルギーを浪費することなく、目的に集中することができるようになるのである。